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今更聞けないバイクの話「レギュラーとハイオクはどう違うの?」

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バイクや車にはレギュラー仕様やハイオク仕様と言ったガソリンの種類の指定がありますよね。

インターネット上で調べてみるとレギュラー仕様にハイオクを入れると加速がよくなるとか、エンジンの吹け上がりがスムーズになったなんて話を聞きます。

逆にハイオク仕様の車両にレギュラーを入れても全く問題が起きていないという意見も見られます。

そこで今回はそもそもレギュラーとハイオクにどんな違いがあるのか、またレギュラーとハイオクにまつわる都市伝説についてご紹介したいと思います。

ハイオクガソリンとレギュラーガソリン



国内で販売されている主なガソリンは「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」の2種類です。

レギュラーガソリンは「無鉛ガソリン」「無鉛レギュラーガソリン」、ハイオクガソリンは「無鉛プレミアムガソリン」「無鉛ハイオクガソリン」とも呼ばれています。

※軽油はガソリンとは種類が異なるため、ここではご紹介していません。

どう違うの?

レギュラーとハイオクの違いには「オクタン価」というものが関係してきます。

オクタン価とは、ガソリンがエンジン内でノッキング(エンジン内の圧縮行程において、点火のタイミングのズレによる異常燃焼)の起こりにくさを示す数値のことです。

数値が大きいほどノッキングが起こりにくいということになります。
日本で販売されているオクタン価は一般的に、レギュラーで90~92、ハイオクで98~100程度とされています。

エンジンによって指定ガソリンが違うのはなんで?

車種によって指定されているガソリンが違いますよね。
一般的にハイパワーを絞り出す高性能なエンジンはエンジンの圧縮比が高く、通常のレギュラーガソリンを使用するとノッキングが起こりやすくなるため、ノッキングを起こしにくいハイオクガソリン指定になる傾向があります。

圧縮比とは空気をどれだけ圧縮するかという比率のことで、圧縮比が高くなると、より高圧になるまで圧縮されることになります。

空気は圧縮されると温度が上がる性質があるため着火しやすくなってしまうので、より良い状態で点火するためにハイオクのガソリンを指定して点火時期をコントロールしようという設計なんですね!

都市伝説①「ハイオクを入れるとエンジンが綺麗になる?!」

これには賛否両論ありますが、本来ハイオクガソリンには清浄剤と呼ばれる綺麗にする成分が含まれています。

ですが、これは清浄する効果を目的にしているというよりも、汚れの堆積を防止するという目的が強いため、元々汚いエンジン内部を洗浄するという目的では作られていません。

ススなどがかなり堆積しているエンジンであれば、多少は効果が見込める場合もありますが、驚くほどの効果があるかという点では、体感できる状況は限られていると言えます。

またレギュラーガソリンでも清浄剤が含まれているものが販売されていますので、わざわざ値段の高いハイオクを入れるほど効果を見込むのは難しいです。

都市伝説②「ハイオクを入れるとパワーアップ?!」

ハイオクの方が燃焼エネルギーがわずかに高いというのは事実です。

ですが、その差はおよそ2%以下とも言われており、ほとんどの場合違いを体感するのは難しいです。

高性能なオイル、タイヤ、チェーンなどに交換することによって得られる体感の方がはるかに大きいと言えます。

都市伝説③「ハイオク指定にレギュラーを入れても問題ない?」

問題ないとは言えません。
ハイオク仕様車はエンジンの使用上レギュラーガソリンでは異常燃焼を起こしてしまう可能性があるためハイオク指定されています。

ではなぜ問題ないと言う意見が散見されるのか?
最近の車両ではセンサーやコンピューターが高性能なため、異常燃焼を起こす前に点火時期や燃料の噴射のタイミングなどを補正しているからなんです。

それによってエンジンは問題なく動いていますが、実際はメーカーの狙ったタイミングで点火はされていませんし、目標のパワーも出せていない場合がほとんどです。

また、特にバイクは古い設計の物も多数存在するため、コンピューターが勝手に補正してくれない場合があります。
その場合、異常燃焼したり、ススがエンジン内部に堆積してしまい、最悪の場合エンジンを壊してしまう可能性があります。

都市伝説④「レギュラー指定にハイオクを入れても問題ない?

都市伝説①、②でも書きましたが、何かメリットがあるかと言うと体感できるほどのメリットはありません。

ですが、レギュラー仕様のバイクにハイオクを入れること自体はどうなのか。

科学的には大きな問題は起きないと言われていますが、メーカーの指定以外のことをするので、100%安全なのかと考えると避けた方がいいかと思われます。

特に設計の古いバイク(旧車を含む)は燃料の違いを許容できるように設計されていない車両も多いため、点火時期がズレるなど問題が発生する可能性もあります。

車両の製造国によってはレギュラーとして使用しているガソリンの組成が日本でいうハイオク相当という場合もあるため、バイクショップに確認してどちらを入れるか判断する必要があります。

まとめ



普段から何気なく目にするレギュラーガソリンとハイオクガソリンですが、エンジンの設計自体に違いがあり、それに合わせるために使用する燃料を選ぶと言う考え方が正しいですね。

バイクのタンクの容量は車に比べると小さいので、満タン給油1回あたり200円程度の違いです。

ハイオク指定なのにその200円を惜しんでエンジンが壊れてしまっては元も子もありません。
メーカーの指定の燃料をしっかり給油して、より長く愛車を楽しめるといいですね!


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