今更聞けないバイクの話「スパークプラグって何するもの?」
みなさんスパークプラグの交換はしていますか?
バイクのメンテナンスというとオイル交換やタイヤ交換、チェーンの調整といったものが重視されますが、「スパークプラグ」も忘れてはいけません。
スパークプラグはエンジンには欠かせない部品です。
そこで今回はスパークプラグの役割や種類をご紹介したいと思います。
大切な愛車が「エンジンのかかりが悪いなぁ」とか「パワーが落ちた気がする」という方、
もしかしたらスパークプラグが原因かもしれません!
そもそもスパークプラグって何をするもの?
名前は聞いたことがあるけど何をするのかってなかなか考えたことがないですよね。
エンジンはガソリンと空気が混ざった「混合気」を爆発させてエネルギーに変えていますが、
スパークプラグはその「混合気」に火をつけてくれる点火装置にあたります。
瞬間的(1000分の1秒くらい)に高圧の電流を流すことで火花を発生させて点火する構造のため、バッテリー上がりでエンジンがかからないのは、ここで火花が飛ばなくなるからなんです。
スパークプラグってどこにあるの?
上の写真は外車のV型2気筒エンジンですが、赤丸のところに黒いカバーのついたものが刺さっているのが見えます。
エンジンに刺さっているこのパーツがスパークプラグです。
(ちなみに黒いコードはプラグコードと言います。)
通常1気筒あたり1本刺さっています。
スパークプラグってどんな形なの?
これは車体から外されたスパークプラグです。
写真左側のネジの部分がエンジン内部に刺さっていたところです。
先端のL字の金属と中心の針のような電極部分の間で火花を発生して着火します。
スパークプラグって交換しなければいけないの?
点火の際にスパークプラグに流れる電圧は2万~3万ボルトもあり、これは家庭用コンセントの電圧のおよそ200倍~300倍です。
この数字からもわかるように、スパークプラグには高電圧の負担が掛かっています。
また、エンジンが動き続けている間中、爆発による圧力が掛かり続けています。
常に負担がかかっているプラグは電極の消耗や爆発のススが電極周りに付着して火花が飛びにくくなるなど消耗部品としての扱いになるため交換が必要になります。
スパークプラグが消耗すると何が起きるの?
小さく目立たないパーツではありますが、スパークプラグが消耗するとエンジンの始動が悪くなるだけでなく、突然エンジンが止まってしまう等、予期せぬトラブルに発展する可能性があります。
そのような危険を防ぐためにも、スパークプラグの定期的な点検、交換が欠かせません。
スパークプラグの劣化により起こりやすい症状としては、下記のようなものが挙げられます。
- 電極消耗→エンジンのかかりが悪くなる。
- くすぶり(ススの付着による放電)→エンジンの吹け上がりが悪くなる。
- 付着したススの過熱による異常燃焼→電極が溶け、突然のエンジン停止。
上記のことから、スパークプラグはメーカー指定の交換頻度を守って交換しましょう。
どうやって交換するの?
スパークプラグの点検、交換はバイクのメンテナンスの中でも比較的簡単な作業に分類されますが、上記で説明した通り、エンジンにとって非常に重要なパーツになりますので、注意点をしっかり意識しましょう。
また、車種やエンジンの特性によって対応したスパークプラグの種類があります。
メーカー指定のプラグを確認してから作業をしてください。
- スパークプラグにはまっているプラグコードを手で引き抜く。
- スパークプラグのサイズにあったプラグ専用レンチで、スパークプラグを緩める。
- スパークプラグを外し、新しいスパークプラグと差し替えたら手で軽く締めていく。
- プラグレンチを用いて慎重にネジを締め、プラグキャップをはめる。
※ネジ山を壊してしまうため、プラグを差し込む際は斜めに差し込んだり、強い力で締めすぎたりしないように注意しましょう。
※複数のプラグを使用するバイクの場合、全てのプラグを点検、清掃や交換してください。一部のプラグのみを清掃したり、交換した場合、点火のバランスが崩れエンジン性能が発揮できない場合があります。
※プラグを抜いた状態のエンジンは燃焼室(エンジン内部)に簡単に異物が入ってしまう状態です。交換や清掃は手早く行い、再びプラグをさすまでに時間が空く場合は異物や埃が入らないように布などで蓋をするなど予防します。
※車種やプラグごとに指定されている締め付けトルクに注意してください。
まとめ
いかがでしたか?
バイクを購入してからエンジンオイルやタイヤは交換したけど、スパークプラグは交換していない
という方は少なくないと思います。
ですが、燃料を効率よく燃やしてエンジン本来の性能を発揮するためにはスパークプラグの交換が必要不可欠ということがお分かりいただけたと思います。
上記の交換の際の注意点を見て、少しでも「交換が不安だな」とか「壊したらどうしよう」と思った場合は無理に作業することは控えて、バイクショップに依頼することをお勧めします!