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こんなバイクがあったんだ!「リートワーゲン(ドイツ)」

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長いバイクの歴史の中には今では考えられないようなバイクや、ロマンあふれるバイク、名車だったのに時代やタイミングのせいで短命だったバイクなどがあります。

そんなバイクをご紹介していく新企画「こんなバイクがあったんだ!」シリーズ第3弾です!

世界初のバイクは4輪?!「リートワーゲン」



こちらが「リートワーゲン(Reitwagen)」です。
世界で初めて内燃機で動くバイクを形にしたモデルと言われています。

1885年に発表されたこのモデルは木製で現在のバイクと同じようにライダーの股の下に内燃機が搭載されています。



実はこのバイク、タイヤもゴムではなく木製でできている上に、当時はまだ2輪の概念が浸透していなかったのか、車両の両側に今で言う「補助輪」のようなものが付いていたので、厳密にいうと4輪のバイクということになります。

この当時、このサイズの内燃機自体が世界初で特許も取得しているのですが、驚くべきはこのバイクの開発者でした。

リートワーゲンの開発者はあの有名高級車メーカーの創業者?!

実はこのバイクを開発した人の名前は「ゴットリープ・ダイムラー」という人です。



少し車に詳しい人なら「ダイムラー」という名前を聞いて理解された方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そうなんです、実はこの方、現在のメルセデスベンツの親会社で「ダイムラー」の前身にあたる

「ダイムラー・モトーレン・ゲーゼルシャフト(Daimler Motoren Gesellschaft, DMG)」

の創業者の1人なんです。

世界初のバイクは試作だけ?



排気量は264ccで0.5馬力、最高時速が約12kmで走行できるようです。
ハンドルの手前にあるレバーで2段階のギアを選択できる構造でした。

今考えれば264ccもあって、0.5馬力か・・・・と思いますが、フレームやホイールが木製で、タイヤ(ゴム)もない車両でこれだけのスペックは驚きですね。

息子のアドルフによって走行試験を繰り返し、1885年11月には3kmを走破、1886年に特許が認められたようです。

しかし、もともと開発者のダイムラーはエンジンの開発を目的に作っており、翌年には自動車の開発に取り掛かってしまったため、世界初の2輪車は残念ながら市販化されませんでした。

もしかしたらダイムラー(ベンツ)はバイクメーカーだったかも?

当時はエンジン付きの馬車を作るという目標のもと様々な技術者が競争しており、バイクではなく自動車が優先されてしまいました。

もし、「エンジン付きの馬のような乗り物を作る!」という流れだったなら、今頃ダイムラー(ベンツ)はバイクメーカーだったかもしれませんね!

まとめ

世界で初めてのバイクがダイムラー(ベンツ)製だったというのがとても驚きでした。

当時はタイヤもゴムではなく木製で、補助輪がついているという特殊な構造ではありますが、人がエンジンにまたがって運転するという考え方は、130年以上経った今でも全く変わっていませんね。


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