コラム

走行中の寒さ対策は大丈夫?「冬のライディングの寒さ対策について」

コラム


11月になり本格的に寒くなってきましたが、ツーリングの予定がある方や、バイクで通勤、通学をしなければいけない方も多いと思います。

冬のライディングって寒くて辛いことも多いですよね。

そこで今回は冬のライディング寒さ対策についての基礎知識をまとめましたのでご紹介します!

まだ暖かい日もあるけど・・・?

確かに11月といってもまだ暖かい日もありますね、でも要注意です。
特に朝夕は突然冷えます。

特に夕方は日の入りを過ぎると急激な気温の低下があるので、日中そこそこ暖かくて油断していると「もっとちゃんと着込んでいればよかった・・・」
ということになりかねません。

また、気温の数値は街中を歩いているだけなら暖かいですが、ライディング中の体感温度となると一気に寒く感じます。



上記の画像は11月1日の一日の湿度と気温の予報です。

気温だけを見れば最高20度ありますので、暖かく感じますが、体感温度にしてみると以下のようになります。
※ミスナールの体感温度の公式を使用



時刻 通常時 走行中(60km/h) 走行中(100km/h)
6:00 9℃ -6.6℃ -8.1℃
9:00 13℃ -0.2℃ -1.4℃
12:00 18℃ 6.7℃ 5.8℃
15:00 20℃ 9.2℃ 8.4℃
18:00 17℃ 5.3℃ 4.3℃
21:00 15℃ 2.3℃ 1.2℃

最高気温が20℃あっても、体感温度は10℃を超えません。

想像以上に体感温度が低いことをお分かりいただけると思います。

どこを防寒対策すればいいの?

一般的にも言われていることですが、冷えやすいポイントを押さえることで対策としては有効になります。

「首」と名のつく場所は要注意

首、手首、足首と「首」と名のつくところは要注意です。
この部分は太い血管が体の表面に近いところを通っており、冷やされてしまうと体全体に影響しやすい場所です。

末端に要注意

指先や足先は心臓から遠く、血行がもともと行き届きにくいところのため冷えやすいです。
一般的に冷え性と言われている人はここの部分が極端に冷たいですね。

汗をできるだけ早く乾かす

忘れがちなのが「汗」です。
かいた汗で服が濡れてしまい、走行風によって冷やされてしまうと先ほどの体感温度とは比べものにならないくらい寒く感じます。

ここに挙げた点を注意すれば効果的に防寒対策となりますが、ライディングに影響が出るような極端な厚着をするのではなく、薄くても防風や保温効果のある動きやすい素材を使用したグッズを使用することが重要です。

最近の防寒対策事情ってどうなっているの?

一言で「寒さ対策グッズ」といっても、目的を間違えてしまうと意味がありません。
ここではそれぞれの製品がどのような目的で設計されているのか大まかにご紹介します。

防風

ウインドブレーカーやウインドジャケット、ウインドストッパーという名前で販売されています。
主に風をシャットアウトし、体感温度を下げないようにする効果が期待できます。

保温(断熱)

ダウンジャケットなどのように服の中に空気の層が作られており、体温を逃がさないように保温する効果が期待できます。

透湿防水

ゴアテックスやドライマスターといった呼び方で販売されています。
特殊なフィルムや布が使用され、汗などの湿度は服の外に逃がし、外からの雨などはしみ込まないように作られています。

吸湿発熱

ヒートジェネレータなどの名前で販売されていますね。
主にインナーとして着用し、汗などの水分で発熱するようになっています。
また生地自体が乾きやすい素材になっていることが多く、汗を発散するようになっています。

電気で発熱

電池やバイクのバッテリーから電源をとり内蔵された電熱線によって温まるものです。
体温や吸湿発熱だけでは追いつけないほどの寒い中走らなければいけない場合などに効果があります。

じゃあ最強にあったかいものを1着買っておけば大丈夫?

もちろん高機能な寒さ対策のウエアがあるに越したことはありませんが、筆者がオススメしたいの一点豪華主義のように1枚の最強ウエアではなく、そこそこの機能がある複数のウエアを重ね着する方法です。

例えば、インナーに吸湿発熱、その上に保温、その上に防風というように重ねるとほとんどの環境で使用することができます。

また、ツーリング先などで室内に入った時、重ね着していると脱げば調節できますが、1着だけ高機能なものを着ていた場合、その下は薄着だったりと脱ぐことができない場合もあります。

いくら走行中に快適でも目的地で汗だくなんて本末転倒ですよね。

バイク用じゃなくて一般用の衣料でもいいの?

もちろん、ライディング用の寒さ対策用品を揃えるのが1番おすすめです。
ですが、金額や手に入りにくいなどで、一般の衣類を着用する場合は重要なポイントがありますので、注意しましょう。

ライディングポジションに合わせて作られていない

バイクに乗っている時の姿勢は通常の衣類が想定している姿勢よりも前傾姿勢になりますし、足も通常想定される姿勢よりも深く膝が曲がります。

そうなった場合に手首や腰、足首部分の衣類がずり上がって露出してしまうことがあります。
そういった場合は手袋やブーツなどでカバーしたり、下の画像のようなライディング用の腹巻のようなものを使用すると衣類がずり上がってしまっても腰を冷やしません。


Copyright © 2009 ROUGH & ROAD Sports Company, Limited. All rights reserved.


動きにくい

先ほどのライディングポジションにも通じますが、基本的にバイク用のウエアはバイクに乗車する時の姿勢に合わせて裁断され縫製されております。
しかし一般の衣類はそのような設計がされていないので、どうしても突っ張ったり、裾が風でバタバタしてしまうなど、ライディングに影響が出る可能性があります。

短時間のライディングならまだしも、長距離走るようなツーリングの場合は疲労度も段違いですので、注意が必要です。

もし一般用の衣類を着用する場合は少しでも伸縮性のあるものを選ぶなど、通常より動きやすさに重点を置いて選びましょう。

保護力がない

バイク用のライディングウエアは万が一の転倒などの際に、怪我をしやすい部分に対して生地が厚手にされていたり、プロテクターが内蔵されているといった対策が施されています。

もし一般の衣類を着用する場合はそういった保護力がないことを念頭におき、中にプロテクターを着用するといった対策が必要です。

車から見にくい

バイク用のライディングウエアは反射材などがロゴなどにうまく取り入れられており、夜間の走行の時に他の車両から気づかれやすく作られています。


Copyright (C) 2017 RS TAICHI All Rights Reserved.


ですが、一般の衣料にはそういった機能はありませんので、ご自身で反射ベストを上から着用するなど対策をしなければいけません。

内容を考えると意外とバイク用ウエアを購入するのとそんなに金額や手間は変わらない可能性がありますね。

まとめ

寒さ対策について今回のようにまとめると「どうしてそこまでしてバイクに乗るのか」と思う方もいらっしゃると思いますが、寒い中、目的地まで走りきった時の達成感や嬉しさは実はオンシーズンのツーリングと比べても遜色ない、場合によってはオンシーズンよりもあるかもしれません。

また、寒い中走った後の暖かい食事や温泉などは格別です。

万全の寒さ対策で冬のツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか?


戻る

関連記事