こんなバイクがあったんだ!「メゴラ(ドイツ)」
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長いバイクの歴史の中には今では考えられないようなバイクや、ロマンあふれるバイク、名車だったのに時代やタイミングのせいで短命だったバイクなどがあります。
そんなバイクをご紹介していく新企画「こんなバイクがあったんだ!」シリーズ第1弾です!
インホイールモーターのはしり?「メゴラ」
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こちらのバイクが「メゴラ」です。
1921年から1925年ごろまでの間にドイツで2000台程度製造されたバイクです。
・・・皆さん、何か違和感がありませんか??
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前輪のアップです。
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お気づきになりましたか?
そうなんです。
前輪にエンジンがついています。
当時でも珍しい仕様なんですが、前輪駆動のバイクなんです。
現在では電動バイクなどで、インホイールモーターというホイールにモーターが入っているバイクは存在しますが、エンジンを入れてしまう(それも前輪に!)というのはびっくりですね。
エンジンとホイールが直結で力強い走り!
搭載されているエンジンは星型5気筒、排気量は1気筒あたり128ccでエンジン全体では640ccですが、80年以上前のエンジンなので出力は14馬力程度と非力です。
ただし、注目すべき点はエンジンと直結されているところです。
現在一般的なバイクはエンジンの動力を変速ギアやチェーンなどを通じて伝えるために、パーツごとに伝達ロスが発生しますが、メゴラはホイール自体がエンジンなので、伝達ロスがないんです。
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ちなみにレース用に200台製造されたと言われている最終モデルの最高速がなんと140km/h!
エンジンの搭載位置が低い関係で重心が極端に低く、ハンドリングが素晴らしかったそうで、1924年のドイツ選手権で優勝したとのこと。
エンジン始動は押しがけか前輪を足で蹴って回して始動したそうです。
当時2000台作られたメゴラも、現在残っているのは約10台程度。
ほとんどがコレクターや博物館が所有しているので街中でお目にかかることはまずないでしょう。
そんなバイクが動いている貴重な映像があります。
まとめ
バイクっていつも後輪駆動だなと思い調べてみたら見つけたバイクです。
メゴラも当初は後輪駆動だったようですが、性能を突き詰めていったところ、前輪駆動に設計変更されたようですね。
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©️http://www.cockerell.de/05%20Megola.htm
考えてみるとチェーンなどの伝達を考えなくていいので、効率がいいような気はするんですけど、ホイールの中にエンジンを入れようなんてよく思いつきましたよね。
実はこの後、このバイクのファンたちにより新たな前輪駆動バイクが開発されたんですが、それはまた次回・・・お楽しみに!
参考:http://www.cockerell.de/05%20Megola.htm