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今更聞けないバイクの話「タイヤの皮むきって必要なの?」

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タイヤの皮むきって聞いたことがありますか?

バイク乗り同士の会話でタイヤの皮むきについて話しているところに遭遇した際、

「タイヤを洗剤で洗う必要がある」とか
「タイヤの端までバイクを倒して乗らなければいけない」

といった議論がされていました。

そこで今回は、タイヤの皮むきって何なのか、必要なのかについてご紹介したいと思います。

タイヤの皮むきってそもそも何?

よく聞くのが表面にコーティングがされていて、それを剥がさなければいけないという噂です。

インターネット上でも情報が乱立しております。

調べてみると新品タイヤには下記に紹介する2点を解消するために「皮むき」という言葉が使われていることがわかりました。

新品はタイヤの表面がツルツル

タイヤはゴムを型に流し込んで成型する関係上表面がツルツルしています。
ですが、本来のタイヤが持つグリップ力を発揮するには表面のツルツルではなくてゴム本来が持つ構造(設計)が表面に出てこないとグリップできません。

そこで、表面を削り取るイメージの「一皮剝く」という工程を必要とするようです。

タイヤメーカー ブリジストン様のページに下記のような記載があります。


©2017 Bridgestone Corporation


表面に薬品が塗られている

ゴムを型から抜きやすくするために「離型剤」などの薬品が塗られており、新品タイヤにはその成分が残っている場合があります。

新品タイヤ装着時はその薬品によって滑りやすい場合があるため、しばらくの間は薬品を落とす意味でも急のつく運転を避けて安全な速度でタイヤを「慣らす」作業が必要になるようです。

こちらについてはタイヤメーカー ダンロップ様のページに下記のように記載があります。


© 2017 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. All rights reserved.


結論「タイヤには慣らしという作業が必要」

今回調べてみてわかったことは、便宜上わかりやすいように「皮むき」という表現が使われたところ、その言葉が一人歩きしてしまっている状態だということです。

本来タイヤメーカー各社がユーザーに伝えたいことは、「新品タイヤはすぐには本領発揮できないので、十分な慣らし運転をしてから本格使用してくださいね。」ということ。

その中には、「表面のツルツルの層と薬品が残っている部分をゆっくり走って落とすイメージで慣らしてね」という意図が含まれているようです。

ちなみに、洗車の際などを含め、タイヤを洗うときは洗剤を使用してしまうとタイヤが本来持つべき成分まで落としてしまうためタイヤの劣化を早めてしまう可能性があることも付け加えておきます。

もしタイヤが汚れているなと思ったときは、十分な量の水をかけて洗い流すところまでにとどめておくことをお勧めします。


© 2017 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. All rights reserved.


また、タイヤの端まで使い切らなければいけないという噂については、これまでまとめたことを総合すると、

「初めてタイヤの端まで使用するような走行をする場合は無理なスピードや曲がり方をせずゆっくりと安全なスピードで慣らしていってから徐々に本格使用して行く必要があり、タイヤのセンター部分、端の部分それぞれに「慣らし」をしていくことが最善」

ということですね。

まとめ

タイヤの皮むきという言葉に対して「具体的に何をすればいいのかな」と疑問に思っていましたが、新しいタイヤの本領を発揮させるために必要な慣らし期間だったとわかりスッキリしました。

どんな工業製品もそうですが、初めはゆっくり慣らしてあげるという行為がとっても大事ですね。


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