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エンジンがかからないときに確認したい8つのこと

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「エンジンがかからなくて困っています」

弊社ロードサービスのコールセンターには、このようなお電話を毎日のようにいただきます。

バイクに詳しい方であれば、症状によって原因と対策はある程度予想できると思うのですが、バイクを購入したばかりだったり、バイクの故障が初めてだという人は特に焦ってしまいますよね。

そこで今回は、バイクのエンジンがかからない時に確認すべき点をまとめましたのでご紹介させていただきます。

その場で確認できる8つのこと

1.キルスイッチはON(RUN)になっていますか?



バイクのハンドルのスイッチボックスに赤いスイッチがあるかと思います。
これはキルスイッチと言われ、緊急時に強制的にバイク全体の電流を遮断するために用意されているスイッチです。

スイッチがOFFになってしまっていると、セルが回らなかったり、回っても点火されないため、エンジンがかかりません。
車両によっては写真のように図で表示されているものもあります。
この場合は上のバツのついていない方がエンジンがかかる状態ということになります。

2.サイドスタンドは出ていませんか?



バイクによってはサイドスタンドのしまい忘れ防止のためにセンサーが付いており、サイドスタンドを出したままだと、エンジンがかからないように(エンジンがかかってからサイドスタンドを出すとエンジンが止まるなど)なっています。

走行中に誤ってサイドスタンドが出てしまったり、サイドスタンドを出したまま走り出してしまわないように用意されている機能ですが、稀に電話口で色々確認していると「サイドスタンドが原因だった」ということがあります。

3.ギアはニュートラルになっていますか?



これも車種によって仕様が変わりますが、ギアがニュートラルの時じゃないとエンジンがかからないように作られている物もあります。
ニュートラルになっていないとエンジンをかける時誤ってクラッチを離してしまうとバイクが誤発進してしまうなど危険ですので、安全のためにもエンジンをかける時はニュートラルにする癖をつけましょう。

4.バッテリーの電圧は問題ないですか?



バッテリーが上がっている可能性があります。
セルの回りがいつも通りであれば、バッテリーはまだ生きている可能性がありますが、例えばセルが弱くしか回らないとか、セルのスイッチを押すと、カチカチと音はなるけどセルは回らないとか、というときはバッテリーが弱っているのではないかと判断できます。
ギアをニュートラル状態にしたときに、ニュートラルランプがいつも通りの明るさで光れば、「おしがけ」などでエンジンを始動することができる可能性もあります。
(最近のバイクではニュートラルランプなどの電球もLEDになってきているため、上記の判断に使えない可能性があります)

5.ガソリンは入っていますか?



意外と見落としがちなのが、ガス欠です。
車と違いバイクは燃料計というものが装備されていないバイクもまだまだありますので、ガス欠に気づかずエンジンをかけようとしているということがあります。

6.ガソリンコックは「ON」または「RES」に なっていますか?



先ほどのガス欠に関係しますが、ガソリンコックの開け忘れや、ガス欠状態になっていて、リザーブに切り替えていないとエンジンはかかりません。
自分ではコックを触っていないつもりでも何かの拍子に触れてしまう可能性が十分にあるため、必ず目視で確認してください。

7.ガソリンは悪くなっていませんか?



例えば長期保管をしていたなど、しばらくガソリンを使わない状態が続くとガソリンは悪くなります。
悪くなったガソリンはバイクの燃料系統のいたるところにドロドロの残留物のようなもので栓をしてしまい、ガソリンを供給できなくなってしまいます。
もし心当たりがある場合は新しいガソリンに交換する必要が出てきます。
キャブレター内部にも同様の汚れがたまっているとキャブレターのオーバーホールが必要になりますので、この作業はバイクショップに依頼しましょう。

また、ガソリンの状態を確認するために匂いを嗅ぐ人をたまに見ますが、これは健康にかなり悪影響を及ぼす危険がありますので、絶対にやめましょう。
一般的にガソリンの使用期限は3ヶ月くらいから半年と言われています。
ガソリンは空気に触れると劣化が始まるため、バイクを長期保管する場合はタンクをガソリンで満タンにしてから保管すると劣化を遅らせることができます。

8.プラグコードはきちんとはまっていますか?

プラグでエンジン内のガソリンに点火することは以前の記事「スパークプラグって何するもの?」でも書きましたが、そこに電力を供給するためのコードがプラグコードです。
ちょうど写真の赤丸部分につながっている黒いコードですね。
車種によっていろんな色がありますが、エンジンの上部にこのように差さっているコードがプラグコードになります。
これが抜け落ちていたり、しっかりはまっていないと点火できず、エンジンがかかりません。


作業できる環境や技術、道具が揃っているときに確認できる追加4項目

ヒューズは切れていませんか?



ヒューズが切れているとエンジンがかかりません。
予備のヒューズを持っていると差し替えれば一時的に通常通りエンジンをかけることができます。
ですが、ヒューズというのは設定した電流以上の電流が流れたときに切れるものなので、ヒューズが切れたということはどこかに不具合を抱えており、すぐにまたヒューズが切れる可能性があります。
必ずその足でバイクショップにいき点検してもらいましょう。

プラグの状態は問題ありませんか?



電極が消耗していたり、ススがつきすぎて点火できない、などプラグが原因のエンジン不動もあります。
プラグレンチがあるようでしたら、プラグを外して点検をしてみましょう。

エアクリーナーは綺麗ですか?(ボロボロになっていませんか?)



エアクリーナーが汚れていたり、ボロボロになっているとエンジンに必要な空気が取り込めなかったり、逆に必要以上に空気を取り込んでしまったりとエンジンによくない状態になります。
エンジンがかからない原因にもなるので確認してみましょう

燃料のフィルターは詰まっていませんか?


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燃料タンクからキャブレターやインジェクションにつながるパイプの途中に燃料の中のゴミなどを取り除くフィルターが付いています。
通常は特に汚れてはいないのですが、劣化したガソリンを使ったり、何かの拍子にガソリンに異物が混入するとそれがフィルターを目詰まりさせてしまいます。
本来のフィルターの性能を発揮できない状態である上にエンジン不動の原因にもなるので、点検してみましょう。

まとめ

「さぁ出かけよう」と思ったときや、出先で、急にエンジンがかからなくなってしまうと焦りでなかなか単純なミスに気がつけないことがあります。
弊社ロードサービスでもエンジン不動でお電話をいただいた際は担当者がお電話口で症状を順番に確認し、大切なバイクの現状をできるだけ把握できるように努めております。

急にエンジンがかからなくなってしまったら、焦らず冷静に確認するのが大切ですね。


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