コラム

4ストローク、4サイクルどっちが正しいの?

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皆さんは4ストロークエンジン(フォーストロークエンジン)とか4スト(フォースト)という表現を聞いたことがありますか?

エンジンの仕組みを示す4ストロークエンジンという呼び方ですが、この表現、筆者が別の記事を書いている時に様々な資料を調べていたら、4ストロークという表現と4サイクルという表現が混在している資料があり、どちらが正しいんだろうと頭を抱えてしまいました。

そこで今回は4ストロークと4サイクルについて調査しましたのでご紹介させて頂きます。


手っ取り早くバイク好きに聞いてみよう

ということで、かなり手抜きな感じが否めませんが、まずは会社にいるバイク好き数人に聞いてみました。

すると・・・

「よく聞くのは4ストだなぁ・・・4サイクルってあまり言わないけど、オイル缶に4サイクルエンジン用と書いてあるのはみたことがあるような・・・」

という返答でした。


© 2000 MonotaRO Co., Ltd. All Rights Reserved.


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確かに調べてみると、4サイクルエンジン用と記載されたエンジンオイルが販売されていますね。
ここには掲載していませんが、大手メーカーの純正オイルにも4サイクルエンジン用という表記がされている物がありました。


ストロークとサイクルってどういう意味なの?

ここでストローク(stroke)とサイクル(cycle)の意味を調べてみました。

ストローク(stroke)

打つこと、打撃、ひと突き
(テニスなどの)打球
(水泳などの)ひとかき
(字を書く際の)1画
(機械の)工程

サイクル(cycle)

(一連の現象が完成する)循環期、周期
(季節・事件などの)ひと回り、循環、サイクル、周波

と説明されていました。

4ストローク(サイクル)エンジンってどんな動きをするの?

4ストローク機関は、空気と燃料の混合気を燃焼室へ取り込み燃焼して燃焼ガスを排出するまでの一連の動作(サイクル)が、ピストンの上昇と下降が2回ずつの合わせて「4回の行程」で行われる、容積型内燃機関である。1サイクルの間には、ピストンがシリンダー内を2往復してクランク軸は2回転する。

自動車やディーゼルエンジンを動力源とする鉄道車両や通常動力型潜水艦などで用られているほか、比較的小型の航空機でも用いられる。また、発電機や揚水ポンプのような定置型の動力源、農林業で用いられる可搬型の作業機械としても広く用いられている。

Wikipediaより

Wikipediaでは上のように記載されています。
実際に細かく見てみると、ピストンの動きを1ストロークと考えて1往復を2ストローク、1連の吸気、圧縮、爆発、排気で4回ピストンが動くので4ストロークというようですね。

結局どっちがが正しいの?

ここで考えなくてはいけないのが、先ほどの英語の意味や大手メーカーが4サイクルという表現を使用しているところですね。

まず、英語の意味で考えると、1サイクルというのは1連の動作のことを指していると思われます。
という事は4サイクルとなると、4回同じ事を繰り返す事になってしまいそうですね。
となると正式には1サイクル?

ではストロークではどうでしょう?
機械で用いる表現としては工程という意味があったり、打撃でひと突きという意味があったりと、どうもピストンの動き1回が1ストロークとなり、エンジンの1連の動作を表現するには4ストロークとなりそうです。

英語の意味では4ストローク1サイクルが正式な表現になりそうですね。

ではメーカーの表現は間違っているのか?

実は今回の件を調べるにあたって、様々な資料を見ていたところ、面白い表現を見つけました。
4ストローク1サイクルを略して4サイクルになった」というのです。

なんか屁理屈に見えるかもしれませんが、この表現を利用するには理由があります。
ストロークを基準に考えると不都合が発生するんです。

ピストンが1回動けば1ストロークなので、4ストロークと書いてしまうと、どんな仕組みのエンジンでもピストンが4回動けば4ストロークとなってしまうためです。

ピストンが2回動いて1連の動作が終了する仕組みのエンジンも世の中には存在するため、混同を防ぐためにそのような表現を使用しているとのことでした。

おまけ

こういった問題は英語の扱いに慣れていない日本人が和製英語として使ったがために混同されている事が多いので、試しに検索エンジンや動画サイトで検索結果を比べてみました。

まず、googleです。



↑4strokeで検索しました。(検索結果154万件)



4cycleで検索しました。(検索結果371万件)

googleの検索エンジンの場合、4cycleの方が検索結果の数が多い結果となりました。
ですが、検索結果の上位をみてみるとエンジンのことではなく、 4cycleという会社がヒットしており、そのあとに続くのが日本のオイルの添加剤メーカーのページで、英語圏かつ、エンジンのことを書いているサイトは表示されません。

4strokeの場合の方が検索結果が少ないですが、エンジンの事について書いている英語圏のサイトが上位に出てくる結果となりました。

次にYouTubeです。



↑4strokeで検索しました。(検索結果79,700件)



4cycleで検索しました。(検索結果61,200件)

YouTubeでは動画という性質上、4stroke、4cycle共にエンジンの動画が上位を占めています。

検索結果の数では微妙な差ではありますが4strokeの方が多いという結果になりました。

結論

どちらも間違いでは無いですが、バイク乗りの間での会話や海外のサイト、動画を調べることを考えると4ストロークの方がより伝わりやすいのかなと思われます。

ただし、これはあくまでも筆者個人が調べた結果であり、前述のように4サイクルという表現にも意味が込められてるという情報もあるため、一概にどちらが間違えているということではなさそうですね。


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