コラム

今更聞けないバイクの話「慣らし運転って必要なの?」

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「新車を購入したら慣らし運転!」

これはおそらくほとんどの方が頭の中に漠然とお持ちの知識ではないでしょうか?

でも、慣らし運転のやり方や走行距離、タイミングなどは人によって意見が違い、最近では
「慣らし運転なんて必要ない」
といった意見も出てきて、何が本当なの?と悩んでしまいますよね・・・

そこで今回は慣らし運転についてまとめてみましたのでご紹介させていただきます。

「慣らし運転」ってなに?

インターネットで慣らし運転について調べてみると、以下のようにまとめられていました。

一般に、機械や装置類の故障発生は故障率曲線によって示されるが、使用開始直後は初期故障期にあたり、故障率は時間の経過とともに低下し、やがて安定した状態になっていくことが知られている。部品の組み立て集合体である自動車やオートバイもこの例外ではなく、使用開始直後は初期故障による故障の可能性が高い状態にある。

自動車やオートバイにおいても、当然、厳しい工程内検査や出荷検査が課されてはいるが、実際に動作させて熱変化や振動などに曝されると、各部品自体の、あるいは部品相互間の干渉、組み立て時に締めたねじが緩むなどの事象が生じるため、故障に至る可能性が高くなると理論上は考えられる。このため、各自動車メーカーは新車販売1ヶ月後あるいは3ヶ月後、あるいは走行距離が1,000kmや3,000kmに達する前に、新車点検整備を無料サービスとして実施している。

ユーザ側としても新車購入直後に全負荷をかけるような無理な運転を避けることを心がけ、新品の間(一定走行距離に達するまで)、エンジン回転数を抑えた運転を行なうことを慣らし運転という。

wikipediaより抜粋

慣らし運転をするとどんな効果があるの?

ネジの初期緩みを確認する

組み立てたばかりの車両は実際にエンジンをかけ走行すると振動や車体の動きによってネジが緩むことがあります。
これは初期緩みと呼ばれ、ディーラーで初回点検(納車から1ヶ月程度)の際の点検項目に入っていることが多いですね。

エンジン内部の部品同士をなじませる

エンジン内部は部品と部品が擦れ合うように動いており、使用開始初期は金属の削りカスや微細なバリ(部品を製造した時に発生する切れ端のようなもの)がオイルに混ざることがあります。
初回点検でオイルを交換する項目が入っていることが多いのはこのためです。

タイヤやホイールをなじませる

慣らしというとエンジンを想像する方が多いのですが、タイヤやホイールにも必要です。
ホイールは取り付けられているネジなどが緩むこともありますし、タイヤに関しても以前ご紹介した記事の通り慣らしが必要です。(タイヤの皮むきに関しての記事はこちら

慣らしをしないと壊れるの??

現在新車で販売されている車両の取扱説明書には慣らし運転の項目がない物もあるようです。
ですが、メーカー様のページには下記のような文言が見受けられます。


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慣らし運転をした方が性能を良い状態に保つことができると書かれていますね。
ですが、ここでも「慣らしをしないと壊れる」とは書いてありません。

メーカーの開発に勤めていた経験のある弊社社員に確認したところ、特に国産車に限っては慣らしをしなくても壊れないように設計されているバイクがほとんどとのこと。

確かに、筆者が調べた範囲でも「慣らし運転をしなかったことが原因」と断定されている不具合の情報は見つかりませんでした。

慣らしをしなかったから、いきなり壊れるという事ではないようですね。

慣らし運転の方法は?

今まで調べてきたことからまとめると、慣らしの本来の目的は「バイクの目的の性能を長く、安定的に発揮させる」ことだということがわかってきます。

では「どのような方法で行うのか?」ですが、特別な方法で行うのではなくて、街中を法定速度内で安全に走る、曲がる、止まるを一定期間繰り返すことによって、機械は自然にアタリがつき、結果的に慣らしになっていくというイメージです。

また、新車時の慣らし運転だけを気をつけるのではなく、毎回のエンジン始動直後(その日初めてバイクに乗る時)は車両全体が冷えていたり、乗る本人の身体自体も準備ができていない状態なことが多いので、毎回細かい慣らし運転の時間帯があるようなイメージで普段から乗るのが良さそうですね。

まとめ

先日公開したタイヤの皮むき(記事はこちら)も、今回の慣らし運転もですが、少し難しく考えすぎていた部分がありそうだということがわかりました。

人間が運動をする前に準備運動をするのと同じようにバイクにも走り出す前に少しだけ準備運動をしてあげるイメージで行うことが大事ですね。


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