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今更聞けないバイクの話「バイクのすり抜けって違反なの?」

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「バイクって渋滞関係ないから使い勝手がいいよね」という発言をたまに耳にします。

これって「すり抜け」することが前提の発言ですよね?

すり抜けって人によって「違反」か「違反じゃない」の意見が違って「どっちなの!?」とモヤモヤしていました。

そこで今回は警察の交通課に勤めていた経験のある知人に直撃してみましたのでご紹介します。

単刀直入に「すり抜けって違反なの?」と聞いてみた



前置きをごちゃごちゃと聞いていても時間の無駄なので単刀直入に聞いてみました。

すると・・・

知人「すり抜けっていう違反項目はないんだよ」

とのこと。

要するに法律の条文ではバイクですり抜けをすることに関して取り締まることは明記されていないんですね。

私「え、じゃあバイクはすり抜けしてもいいってこと?」

と聞いてみたところ、

知人「すり抜けが全て違反になるわけではなくて、すり抜けをする時に同時にしてしまいがちな行動によっては違反として検挙されることがあるよ」

とのこと。

うーん・・・イマイチすっきりしませんね。
そこでもっと細かく聞いてみました。

すり抜け自体が違反じゃなければ何が違反なの?

その知人に詳しく話を聞いてみると、道路交通法ではすり抜けは「追い抜き行為」と判断されるそうなんです。

要するに追い抜き行為として「やってはいけないこと」をしてしまうと違反として「検挙」なんてことになるみたいです。

追い抜きの際にやってはいけないこと

車両の左側を追い越してはいけない



基本的に走行中の車両の追い越しは右側を走行するのがルールとなっています。

また交差点の直前などで、バイクが他の車両の左側の路肩を通って追い越すシーンをよく目にしますが、路肩走行が禁止されていない二輪車の場合でも、前方の車両を追い越すために路肩に車線変更して追い越し行為をしてしまう場合、追い越し違反の対象となります。

※2021年9月9日訂正
路肩と路側帯、追い越しと追い抜きを混同して記述している部分がありましたので、訂正しました。

右折待ちの車両の右側は追い抜いてはいけない



先ほど基本的に右側から追い抜かなければいけないというルールですが例外があります。
右折待ちの車両を追い抜く場合は右側を通過すると巻き込まれる可能性があるため禁止です。
この場合は左側を追い抜きます。

黄色い車線をまたいでの追い越しはしてはいけない



これは車だと当たり前ですが、バイクでは守れていないライダーが街中でも見受けられますね。
黄色い車線は車線変更禁止の意味があります。
特に交差点直前に多いですね。
特にすり抜けをする際に、黄色い車線をまたいで追い越しをしてしまうと禁止区間で車線変更をしたとみなされてしまうため、違反と判断されるようです。

すり抜けしようと思っても黄色い車線を跨がなければできない場合は諦めましょう。

信号無視をしてはいけない



「そんなの当たり前じゃん!」
と思ったんですが、よくよく知人の説明を聞いてみると、信号待ちの車両をすり抜けして先頭に来た時に、停止線を越えて1番前に並ばなければいけない状況がほとんどですよね?

これが違反行為になります。
信号が赤の時に停止線を越えた時点で信号を無視して交差点に侵入したと判断され検挙の対象になります。

割り込みをしてはいけない

割り込みが禁止なのはみなさんご存知ですよね。

「え、私は割り込みなんてしないけど・・・」
と思った方、安心しないでください。
車両の間をジグザグにすり抜けていませんか?



車両の間をジグザグにすり抜ける行為も「割り込み行為」と判断されます。

まぁ、根本的に車両の間をジグザグにすり抜ける行為は違反うんぬんの前にとても危険なので絶対にやめましょう。

これらの違反に該当しない場合は違反として検挙されないの?

上記で説明した行為は一例に過ぎませんが、全て気をつければ、すり抜けをした時に違反として検挙される確率は低くなります。

ただし、知人からの説明をうけて感じたのが実際の路上の状況に照らし合わせると上記の行為を全て回避してすり抜けをするって実はかなり難易度が高いんじゃないか??って事。

実際に知人も以下のように話しています。

「すり抜け行為自体はあまり良く思われているものではなく、警察官によっても考え方が違うから100%検挙されないとは言えないよ。すり抜けは危険な行為に変わりはないので、危険だと思ったら止めて注意を促すこともあるよ。」

また、その知人の経験上、街中で「違反を1つもせず」にすり抜けをできているライダーは「ほとんどいない」とも言っていました。

軽微な違反を端から端まで捕まえていたらすり抜けをしているライダーのほとんどが捕まってしまうことにもなりかねないため、危険な場合を優先的に検挙しているのが現状とのこと。

実際に大阪府警のHPには下記のような通達も公開されています。


CopyRight©Osaka Prefectural Police Department All Right reserved


すり抜けという項目は法律にはありませんが、割り込み違反として検挙できる場合があるようですね。

結論、すり抜けはしないほうがいい!

結論から言うと、すり抜け自体は違反ではないけれど、違反をせずにすり抜けをするのは大変難しく、危険な行為と判断される事が多いため、できるだけ行わない方がいいことがわかりました。

また、他車を運転している人から見ると、実際には違反では無いとしてもあまり印象の良いものでは有りません。

今回のすり抜けに関わらず、法律を守るのは当然として、マナーやモラルを守った素敵なライダーを目指したいですね。


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